2018.08.07
流動浸漬
流動浸漬法は昭和30年前半に西ドイツで開発され、30年代後半に当社にて日本に導入されました。
加工方法は紛体を入れた容器の下部に多孔質の隔壁を設け、その下部より不活性の気体を圧力をかけて注入し、その圧力で隔壁上部の紛体を均一に浮かし、ちょうどその表面をお湯が沸騰しているような状態にします。
これを流動層と呼び、この層にあらかじめ加熱された基材を浸漬することにより均一でタレのないピンホールフリーの膜厚200~500μの美しい塗膜を形成します。

1.脱 脂
気化した溶剤槽の中へ基材を投入、基材表面に付着した油脂は液化した溶剤とともに滴下され、除去されます。
(投入された基材はいつもピュアな気化した溶剤と接触します。)
2.ブラスト
スチールグリッドを勢いよく噴きつけることで、基材表面を梨地状にざらつかせます。
錆(さび)・汚れなどを除去し、電気的にも表面を活性化させます。
3.プライマー
樹脂と基材の両方に相溶性(接着)ある下地材を基材に塗布します。
4.前加熱
基材を樹脂の融点(溶融温度)以上に加熱します。
5.樹脂
加熱した基材を樹脂の槽の中へ投入します。均一でタレのないピンホールフリーの塗膜を形成します。
6.後加熱
塗膜を再度均一に加熱して表面を美しく仕上げます。樹脂が熱硬化樹脂の場合はキュア(加熱硬化)となります。
7.検査
製品仕様に基づきピンホール検査と膜厚検査、外観検査などを行います。その後、納品仕様に基づき梱包します。